2013年9月30日月曜日

富士山登頂大作戦! どうせなら、余力を残して登頂したい!


富士山のてっぺんに登るなら、余力を残して登頂したい!
なぜなら山頂でやりたいことがいっぱいあるから!

お鉢めぐりをして剣が峰まで行きたい! ビール飲みたい! カップラーメン食べたい!
そのためには、体力を残しておかなければいけないし高山病を発症してはならないのです。
精根尽き果てたり、高山病を発症して頭痛や吐き気がするのでは、頂上を満喫できないじゃないですか! ビール飲めないじゃないですか!

だから、「余力を残して登頂する」をテーマに私なりにプランを練ってみました。

注)これはあくまで私の考察であって、裏付けはありません


2年前に友達と弾丸登山に挑戦したときは、夜10時ころから登り始め、8合目の入口あたりで友達が高山病を発症しやむなく断念。下山しながらご来光を眺めたのでした。

実際登って思ったのは、夜の登山は景色が見えないので面白くない!
ヘッドライトが照らす足元しか見えないのでつまらない!
星空は天の川のようにきれいだけど、30秒見れば飽きる!
だから、明るいうちに登り始めて8合目の山小屋に泊まり、深夜に山小屋を出発して頂上でご来光を見ることにしました。

さて、何を着ていくか? 装備はどうするか?

余力を残して登頂するためには、体に負担をかけない素材がいいよね。
普通のTシャツやスボンでも登れるけど、汗を大量にかく登山には向かないから疲れちゃうじゃん。だから、ここはやっぱり登山用のものが一番でしょ!
とはいえ、後にも先にも富士山しか登らないミーハーな私には、登山用品を揃えるなんてもったいないし、なるべくあるもので済ませたい。

ということで、登山靴とレインスーツはレンタル、ザックは父の日に父親にプレゼントしたノースフェースのザック、ヘッドライトとアンダーシャツとトレーナーと靴下は2年前に購入した登山用のもの。スボンはアディダスの三本線のジャージ。
こんな感じでスボン以外は登山用のもので揃えてみました。

実はウエア以外の登山用品はレンタルできるので、買うべきものはウエアと靴下くらいで良かったりする。特に靴は1回の登山で土まみれになり手入れが大変だから、手入れいらずのレンタルが楽!

ウエアは吸湿速乾が基本で、素材は毛、化繊以外はやめたほうがいい。 
吸湿速乾の衣類は夏場になるとどこでも手に入るけど、素材に綿が混じっていたり、吸湿速乾なだけで登山の特徴に合わせた機能を持ち合わせていないので、上に着るウエアだけは登山用のものがいいかも。
2年前にユニクロの吸汗速乾のズボンをはいて登ったら、通気性が悪いわ脚に貼りつくわで不快だった。それもそのはず、夏場の平地のように気温の高い場所で使用することを前提につくられた製品と、富士山のように気温の低い場所での使用を前提とした登山用の製品とでは機能性も用途も違うから (笑

私はノースフェースの長袖のアンダーの上に、毛とポリエステル混合の長袖トレーナーを重ね着します。どちらも登山用品店で買ったもので、ノースフェースのアンダーにはマキシフレッシュという指定外繊維が使われていて気温の低い場所で高い保温性を保つスポーツウエア、雪山でも使えるアンダーウエアです。薄くて軽くて温かくて蒸れない快適な着心地。
富士山のように、冬と夏が同居する環境では、吸湿速乾とともに保温性も高いウエアがいいかも。

とはいえ、ヒートテックのような発熱性のアンダーは逆効果。
友達がヒートテックで登ってバテていた。
自分が発する熱を逃がしてくれるアンダーが必要なのに、汗に反応してどんどん熱くなるヒートテックはヤバい。

富士山には暑さ対策は必要ないのです。
暑いのは運動による自分の発熱によるもので、富士山は暑くないんだよね。むしろ寒い。
富士山は暑さで死ぬことはないけれど寒さで死ぬことはある。
死ぬまでいかなくても、寒いだけで余計な体力を消耗しちゃう。
余力を残して登頂するためにも、防寒は必須です!

さて、それでは防寒着は何にしようかな?

フリースとダウンで悩むところですが
私が今回持っていったのは、ユニクロのフード付きウルトラライトダウン!
薄くて軽くてちっちゃくなるくせに、あったかいのだ!
なぜフリースではなくダウンか?
だってフリースは、登山専用のもの以外は山で使い物にならないんだもん。
ユニクロのダウンは素材がナイロンだから風を通さないし、安かったんだもん。
登山用のダウンが2万するのに対し、ユニクロは¥5,900
それに、登山用のフリースは他の使い道が難しいけど、ダウンは普段も使えるからね。

結論は、ユニクロのダウンで大正解でした! 
軽いから着ている感覚ゼロ、そのうえ風を通さず嵐の中でも寒さを感じなかった。
しかもフードまで羽毛が入っているから頭もポッカポカ
ユニクロのフリースは登山に不向きだけど、ダウンは登山に最適だった! 

上半身の防寒はダウンでOK! さて、下半身は?

アディダスのジャージにレインパンツだけでは心細い。。。そこで、母親が冬にはいていた化繊のスパッツを持っていったら、これも大正解! 8合目から頂上までジャージの下にはいたら全然寒くなかった〜!

悩んだのが手袋。
岩を掴むことが多いから基本は軍手だけど、防寒としての手袋は普段使いのものしかないから登山用を買おうかな、、、でも、結構高いんだよね! 買うのはもったいないから普段使いの手袋にしよ~  ああ、これが間違いの元でした。

富士山では、防寒もさることながら防水も重要だったのです。

雨にふられると手袋が濡れる。でも、登っているときは自分の発熱で冷たいと感じない。
ところが動くのをやめると冷たくなってくるんです。
真冬に濡れた手袋をつけているようなもの。

手袋は完全防水の登山用がいいかもしれない。
台所用のゴム手袋や薄手のビニール手袋は、手首の隙間から雨水が入ってくるから意味がないしムレる。

ゴアテックス製の防水手袋がいいかも。

そして日中の紫外線対策としてUVカット素材の手袋は便利です。
UVカット素材は吸汗速乾でもあるので、ムレずに重宝しました。

私の装備をまとめると
 ・吸湿速乾+保温性の高い登山用長袖アンダーシャツ
 ・吸湿速乾+保温性の高い登山用長袖トレーナー
 ・ゴアテックスのレインスーツ(レンタル)
 ・アディダスのジャージズボン
 ・冬用スパッツ(化繊)
 ・ユニクロのフードつきウルトラライトダウン
 ・登山用靴下
 ・登山靴(レンタル)
 ・軍手
 ・手袋(次回はゴアッテクスの手袋にするつもり)
 ・ヘッドライト
 ・UVカット素材の手袋(昼間の登山時、下山時の紫外線対策)
 ・つばのある帽子

装備は決まった。
じゃあ、何もってく?

持ち物は少ない方がいい。余力を残して登頂するためにも1mgでも軽いほうがいい!!

まずは水分。私のお気に入りのOS-1(オーエスワン)1本、ルイボスティーを1本の計1リットルだけ持っていこうっと。
ぜんぜん足りないけど、ミネラルウォーターは山小屋で売っている。7合目は400円で8合目は500円かな。だからミネラルウォーターは現地調達でよい。それより山小屋で手に入らないオーエスワンやミネラルたっぷりのルイボスティーを持っていくことにする。
ちなみにペットボトルは飲み終えたら邪魔にならないように、潰れ易いものに入れ替えるとよいです。気圧の影響は心配なし、ペットボトルは頂上で破裂しません。

スポーツタオル1枚、日焼け止め、絆創膏、ティッシュ、ザックカバー(これは自転車カゴ用カバーで代用)、おやつ。
そうそう、おやつは大事だよ~
登山はお腹減るからエネルギー源は必要なのです

油分が少なく糖分が高いものがよいかも。塩分が高いスナック菓子などはのどが渇きます。私が持っていったのは、あずき最中、ぶどうの果汁グミ、茎わかめ、黒糖、非常食としてスニッカーズ、そして頂上で食べたいレオニダスのチョコレート。
とりわけ美味しかったのは、あずき最中と茎わかめでした。果汁グミも美味しかったけど、弾力があって噛むのが疲れた。

おやつを食べる余裕があるのは8合目までで、それより上は食べる余裕なかったから、つまめる量で十分かな。
チョコレートは油分が多いのと、血管収縮作用があるので登山中はやめて、頂上でゆっくり味わうことにしようっと。

おやつ以外の栄養素として、ビタミンB、Cのサプリメント、アミノバイタルPROを持っていきます。ウィダーインゼリーのようなゼリータイプのものは重いし、空気薄い場所では吸い込む行為が疲れるので持っていかない。

あとは、頭痛薬。
これは高山病で頭が痛くなってしまったときに飲むんだけど、登るときは飲まない。
薬で痛みを抑えても酸欠状態は変わらないから、登り続けるために飲むのは自殺行為です。
頭痛薬を飲むのは下山する時のみで、頭が痛くて下山に集中できないと危険だから飲むわけです。高度を下げれば酸欠状態は改善されます。

とまあ、持ち物はこんな感じ。結構少ないけど、富士山で必要なものはいざとなったら山小屋で買えるから、荷物は最小限最軽量が望ましい。

持ち物をまとめると
 ・スポーツタオル
 ・日焼け止め
 ・ザックカバー(100円ショップの自転車カゴ用カバーで代用)
 ・絆創膏
 ・筆記用具(メモ帳、マジックペン)
 ・ティッシュ
 ・おやつ
 ・頭痛薬
 ・ビタミン類サプリメント、アミノバイタルPRO(3本)
 ・オーエスワンとルイボスティー
 ・お金。トイレは200円なので、100円玉を用意する
 ・保険証
 ・マスク(下山時にあると便利)


逆に持っていかなくても良いものは
 ・ストック
 ・携帯酸素缶

ストックは邪魔になるんだよね~
富士山は岩場を掴む場所が多いので両手は空いていた方がいいし、突風が吹いたときにとっさにつかまることができないと危険です。
それに、ストック使うと腕が疲れるから、余力を残して登頂するためには足手まといかな

携帯酸素缶は使わない方がいいかも
これを吸うと高山病になりやすくなるらしい
友達は、これを吸って高山病を悪化させていた。
一瞬は頭がスッキリするようだけど、その後具合悪くなるらしい。
エベレストのように酸素ボンベを吸い続けながら登るならまだしも、その場限りの酸素缶は意味がないし逆効果だと思われる。
これも頭痛薬と同じで、登り続ける為に使うのはやめたほうがいい。

さて、持ち物と装備が決まり、あとは高山病対策だわぁ!

これは体質と体調にもよるけど、対策は絶対あると信じている!
高山病だけは、やる気がいくらあっても発症しちゃったらどうにもならないもんね。

原因は取り込める酸素が減少することにあるから、いつもよりいっぱい空気を吸えばいいだけの話。たくさん空気を取り込むためには、肺の中に空気が入り込むスペースを作ってあげることが必要です。満員電車は人が降りなければ乗れないのと一緒で、酸素を含んだ空気を取り込むためには肺を空っぽにすることです。

そのためには、肺に入っている空気をしっかり吐き出す!
吐き出せばおのずと同じ量の空気が入ってきます。

富士山ではそれをすばやくするのがコツで、ゆっくり吐き出していたのでは吐き出している間は空気が取り込めません。
すばやく口から「ハッ!」と思い切り吐き出し、口と鼻から同時に息を吸う。
ボイストレーニングでブレスは口と鼻から同時に吸い込むように習った。
恐らくこれが一番すばやく空気を取り込めるからだと思う。

そしてのどの奥の形が重要で、あくびと同じ形が最適なのだ。
脳が低酸素状態になるとあくびがでます。
そのとき喉の奥は空気をいっぱい取り込む為に大きく開きますが、これが最も効率的に空気を取り込む為の体の反応だと思うのです。
だから私は、このあくびをしたときののどの形を作り、それを維持したまま呼吸をし続けました。

すばやく口から息を吐き切ることを意識すれば、必要な酸素は取り込めるので低酸素状態になりにくいです。意識しすぎで空気を吸い込み過ぎたり、自然な呼吸にさからって深呼吸し過ぎると、過呼吸を引き起こし逆効果です。

あと、高山病対策としてやったことは、1年前から意識してマスクをつけること。マスクをすると息苦しいのは酸素をうまく取り込めなくなるからで、その低酸素状態に慣れることを目的としてマスクをつけていました。


高山病対策もできたら、あとはてっぺんまで行くためのエネルギーを蓄えねば!
さて、エネルギー補給はどうする?

これはもう、食べるしかないでしょ! いえーい!
というわけで、登頂大作戦キャンペーンを1週間前からスタート!

1週間前から、
 ・1日1個鶏レバーを食べる
 ・肉、魚、卵、チーズ、豆腐などの良質のタンパク質を食べる
 ・色の濃い野菜を食べる。ゴーヤ、オクラ、かぼちゃ、トマトなど
 ・ビタミンB群、Cをサプリメントで取る
 ・炭水化物と糖分を極力抜く

そして登山の3日前からは、それまで抜いていた炭水化物と糖分をたっぷり摂った。
うどん、ラーメン、パスタ、パンなどの炭水化物やケーキ、和菓子などの甘いものを食べたいだけ食べた!

炭水化物や糖分を一旦抜いて飢餓状態をつくることで、3日前から入れる炭水化物と糖分の吸収を大きくするのです
なんといっても炭水化物と糖分が登山に必要なエネルギー源ですから!

こうして一気に肥えた私は、周りから「なんか、太ったね」と言われるたびに
「富士山に登るから気圧の関係でむくんでるの」と言っては
「ここ、まだ海抜10m未満」とつっこまれたりした。

そして迎えた登山当日!
わ~い、富士山に登れる~ テンション上がっちゃう~!
でも! 余力を残して登頂するためにやってはいけないこと一箇条
 「決して、はしゃぐべからず」
無駄なエネルギーを使わないよう、終始省エネモードで!

朝食は、甘い蒸しパンとチーズと野菜ジュースとプルーンジュース!
移動中はなるべく仮眠をとってお友達とのおしゃべりは少なめに。
そして5合目到着!
やっぱり涼しい、、、というかすでに寒いね。

ここで1時間半ほど滞在して高度順応させましょうか!
レストハウスでうどんを食べて、炭水化物をエネルギーに変換させるために必要なビタミンB、Cをサプリで摂取!
そして富士山には水がないので最後の歯磨きを入念にしました。
登山ウエアに着替え、必要ない荷物はコインロッカーに預けます。
ここまでやってたらあっという間に1時間半たっちゃった! 

富士山はガスっていて全然見えないけど
いざ、てっぺん目指して Let's roll!

歩き方のポイントは、歩幅小さく、ももを上げず、すり足気味にゆっくり歩く。
決して平地を歩くようにテクテク歩いてはいけない。
呼吸が乱れないスピードでゆっくりと歩く。
疲れを感じないスピードで歩く。
「休憩したい」などと思わないスピードで歩く。
これはかなり遅いためどんどん追い越されますが、それでいいのだ。

追い越されることで勝利が近づくと思い込もう。
私たちは、ごぼう抜きされる度にハイタッチして喜んだ。

追い越していく人たちは、大股でガンガン進んでいくけれど、たいていその先で道端に座り込んで休憩しているところを亀の私達に抜かされる。
座り込んで休憩しなければもたないペースでは体力もたないです。
休憩は立ったまま10分程度で済ませられるくらいのペースでなければ、余力を残して登頂は厳しいでしょう。
せっかく体が運動モードになっているのに、座り込んで長時間休憩をすると、動き出すときにエネルギーを消耗します。
とにかく富士山では亀に徹する。うさぎになる必要はないのです。

水分はこまめにとったほうがいいかも。
休憩のときにゴクゴクと飲むのではなく、のどが渇いていなくても、歩きながら一口づつこまめに取るのがよいと思います。
富士山は気温が低いから喉の渇きを感じにくいですが、確実に汗をかいていますから。
そしてときどき、雄大な景色を眺めながらおやつをつまむ。
茎わかめがさっぱりしていて旨かった〜!
不思議だよね~ 富士山では味覚が鋭くなるのか、平地で食べるより味が倍増する。

7合目あたりから障害物競争のハードルみたいに板が並んだ道が出てきた。
足を上げる動作は疲れるので、板をまたいだりせずに遠回りしてでも板のない道を歩きます。
階段状になっているところは段差の低い場所を選び、なるべく足を上げないように登ります。

8合目の入り口あたりでエネルギー補給!
山小屋の前に腰かけてあずき最中を食べる。う~ん、あずきの甘味がおいちい~! もっと持ってくればよかった!
そして、秘密兵器のアミノバイタルプロを1本飲みます!
アミノバイタルを飲むタイミングは、「疲れたとき」 ではなく 「疲れる前」 に飲むのがコツ。
喉が渇く前に水を飲む、疲れる前に速度を落とす、お腹が空く前に食べる、雨になる前にレインコートを着る。
富士山では何事も「前倒し」が基本。

5合目を出発して約5時間。やっと山小屋に到着です!
さすがにお腹空いたぁ~
山小屋は流れ作業だから自分の寝床を確認して荷物を置いたらすぐ夕食です。

夕食はレトルトカレーとハンバーグ

このハンバーグおいしかった~ カレーもちゃんと辛みがあって美味しかった~!
2膳くらいあったご飯もペロっと完食!
明日の朝ごはんのお弁当をもらって就寝です
歯磨きは外で手持ちの水をつかってサクっと済ます。
次から次へと登山者が来るので、居場所は一畳にも満たない寝床しかありません。
それでも、疲れた体を休めることができ、暖をとれる山小屋はありがたい存在です。

ここは標高3200m、睡眠時の呼吸は浅くなりがちなので深呼吸を意識しなければ。
どうやったら空気がいっぱい吸えるかな~と試行錯誤した結果
体の右側を下にして横を向き、口で呼吸するのが一番楽でした。
そして深く吐くことを意識する。

山小屋は眠れないと聞くけれどホントに眠れなかった。
30分置きに新たな登山者が入ってきてはどやどやがやがや、そして食堂からカレーの匂いが漂ってくるんです。 ときどき誰かのストックがガタっと音を立てて倒れたり、頂上目指して出発するグループががさがさごそごそし出すので眠れない。
でも、無理に眠らなくてもよいのだ。体の力を抜いて休めるだけでも十分。結局一睡もしなかったけど、ちゃんと頂上行けたもん。

日の出の時間に合わせて午前1時に山小屋を出発!
この先は着替える場所がないから完全防寒で行くことにした!
上はアンダーとトレーナーの上にユニクロのダウン、そしてレインジャケット。下は冬用の化繊のスパッツにジャージ、その上にレインスーツのズポンをはいた。
頭はダウンについているフードでカバーして、ヘッドライトをつけ、冬用の手袋をしてその上から軍手をつけた。

外は寒いから早く動きたいよ~

トイレを済ませてさっそく出発!
とりあえず目指すは標高3400m地点の富士山ホテルです。

登り始めると、体がお休みモードから一気に戦闘モードに突入して、ちょっと心臓がパクパクしてきた。。。
30分ほど登ったら富士山ホテルに到着!
ここで山小屋でもらったお弁当とお味噌汁を食べました
ああ、、あたたかいお味噌汁がとても美味しい~
食後にビタミンB、C、そして、アミノバイタルPROを注入。

この先トイレがあるか不明なので、行きたくなくても絞り出しておく。
30分くらい休憩したら、いざ頂上へ向けて出発です!

山小屋の外に出ると、下から登山者が列を作って登って来るのが見えた。
頭に付けたヘッドライトが数珠つなぎになって、巡礼者がともす蝋燭の炎のようにも見えます。
昔は提灯だったのでしょうか。それも幻想的でしょうね。。。いや、この過酷な山では提灯は無理かも、松明かな~

風はほとんどないものの、ときおり白い粒が降っているようなのですが、これはあられ?

この辺りから頂上までは登山者の列ができているので自分のペースで登ることが難しくなってきます。気をつけるのは呼吸法と、段差の低い足場を探して登ること。

九合目の鳥居が見えてきた!

鳥居? そっか、富士山は信仰の対象だから登山道は参道なのか!!
鳥居にはお金が無数に刺してある。なにかジンクスでもあるのでしょうか
そういえば、出雲大社のしめ縄にもお金が無数に刺さってたなぁ
富士山も神様もお金を欲しがっていないのにね~ お金欲しがってるのは人間だけなのに(笑

このあたりで突風が吹き始め雨が降ってきた!
それも体がもってかれそうな強い突風!
まさか、積乱雲の中に入っちゃった??
飛ばされたらどこに転がっていくかわかんないから、姿勢を低くして登らないと危険じゃない? 
突風が吹くたび怖いって感じる! 突風に煽られて岩なんか落ちてきたらやばいでしょ? 人が落ちてきてもやばいよね??

雨粒が大きくて周りがよく見えなくなってきた~
見えるのは前を歩く人の足だけ! こうなったら無心で登るのみ。
でもね、こんな過酷な状況なのに、なぜか気持ちがよくなってきたんです(笑
疲れも寒さも感じないし、体が軽いんですけど!
もしかして、脳内麻薬あふれ出ちゃった??

どこからか
「頂上まであと100m!」 という声が聞こえてきた
あと少しで富士山のてっぺんに行けるんだぁ~ 感極まって涙が出そう〜!
体力は余ってるからお鉢めぐりも余裕でできる~
あ~ 早くビール飲みたい!
ご来光見ながらレオニダスのウイスキーボンボン食べるんだ~!

頂上の鳥居が見えてきたけど、雨の粒が大き過ぎて鳥居がかすんでる
雨で見えない鳥居

あの鳥居をくぐれば頂上だ!
なぜか、「鳥居をくぐれば体に吹き付ける雨風ともおさらばサ!」 って思った。 
そんなわけはないのに、なぜか本気でそう思った。 そして
頂上につくとそこは、大嵐だった!!!
やっぱり積乱雲にすっぽり覆われたらしい!!

友達と喜び合うのもつかの間、台風のような大嵐の中では危険なので山小屋に入ろうとするとそこには行列ができていた
みんな逃げ込む場所は同じなんですね
雨風がどんどん強くなり5m先が見えなくなって、富士山の頂上がどうなってるのかまったくわかんないんですけど!

ここはほんとに頂上ですか?

すると友達が
「プチケイトちゃん、トイレ行きたい!」 と言った
「え? トイレ? トイレ? トイレ?」 と、トイレを連呼していると、山小屋に並んでいる人が場所を教えてくれた
「私行ってくるから並んでて!」
と友達は言ったけど、この嵐の中ではトイレに行ったっきり方向を見失って戻ってこれなくなるのではないか? という不安がよぎり一緒に行くことにした。

山小屋の軒下で、白人男性が体育座りをして雨風に耐えていた。
外人はどこまで頑丈なのだろうか、それとも単なるバカなのか?

トイレには避難者がいっぱいいた!
トイレ。水鉄砲で洗浄
男女兼用トイレだから男性が容赦なく用をたしているけれど、雨風をしのげる建物の中はトイレであっても天国じゃ!!

しばらくしたらやむかな? 
ご来光のころには晴れるかな?
そんな期待と裏腹に嵐が激しくなってきて、突風でトイレが飛ばされそうな勢いですぅ~
それに、運動をやめたため急速に体温が下がってきて、体は寒くないけど濡れた手袋が冷たい~! 手袋さえ濡れていなければポカポカなのに! 登山用の手袋を買うべきだった~ と痛感!

ナイキのスニーカーを履いて登った男の子が、「足がめっちゃ冷てえ~」と言っていた。
私は登山靴だから足は全然つめたくなかった。
やっぱり登山には登山用品なのだ。こんなとき生死を分ける。

嵐はおさまる気配がなく、山小屋まで戻るのも危険な状態。
トイレでボーっと立っていると、運動モードからお休みモードになってきたのか、なんとなく眠くなってきて
「なんか、眠くなってきたぁ」 とボソっと言うと友達が

「プチケイトちゃん! 寝ちゃダメ! 寝たら死ぬよ!」 

ん! そうか! 山で寝たら死ぬってこのこと??
こわい~  山って怖い~ 富士山もやっぱり山なんだ~ 死んじゃってもおかしくないんだ~ マジで命の危険を感じた。 

ビールとかカップラーメンとかウイスキーボンボンとか言ってる場合じゃないよ
本気で眠いし寒いよ〜、体を動かして発熱させないとこのまま爆睡しちゃう
焦り始めたころ、玄人っぽい男子グループが
「ここにいてもご来光見れねえな、下るか!」 と言って出発した
その男子グループについて他の人たちも動きだしたので、私達も追いかけた

とにかく、ここにいたら凍え死ぬ~

トイレの外は猛嵐! 台風だよ台風! 
突風すごいし、雨で何も見えないし、手は冷たいし、泣きそうなんですけど~!
でも、とにかく迷子にならないように男子達についていかねば!
風にあおられて崖に転落したら一貫の終わり
これ以上寄れないというくらい山側に寄って歩いた。
だんだん体が温かくなってきて、手袋の冷たさも感じなくなってきた。
風も穏やかになって小雨になり、空も明るくなってきた!

ちょっと高度を下げただけでこの差は何?

雲海がオレンジ色に染まり始め、みんな立ち止まったので私達も立ち止まった
そして雲海から太陽が生まれてきた~  ご来光です!
雲海からの出始めが、横から見た目玉焼きみたいで美味しそうだにゃ~






頂上を見ると、相変わらず雲にすっぽり覆われていた。あれじゃご来光見れないわ。

ご来光も見て満足し、のんびり下山したのでした。

途中で脇に腰かけて、景色を眺めながらレオニダスのコアントロー入りのボンボンショコラを食べると、お酒の量が多くてむせそうになった!
アルコールが下界で飲むより強く感じます~ 眼下に広がる雲を眺めながら雲見酒、最高です!






グランマニエ、アマレット入りのボンボンショコラもペロっと食べて思った。
富士山は、ビールもいいけど、お酒入りのボンボンショコラもいいねぇ~!
歩き始めるとちょっとフラついた
こうしてホロ酔い気分で富士山をお散歩したのでした。






結論。
頂上行ったけど余裕だった。
お天気がよければお鉢めぐりもカップラーメンもビールもいけた!
問題は天候だけ。 
来年の富士登山に向け、天候を操る術を身につけたいです!!