フランスのモンサンミシェル(Mont-Saint-Michel)が大好きでして、自分の魂の故郷だと思い込んでいます。
数年前に友人と訪れたときに、そう感じたから、そういうことにしております。
数年前に友人と訪れたときに、そう感じたから、そういうことにしております。
このモンサンミシェルに行く当日の真夜中に、私は下痢と嘔吐が止まらず、タクシーで救急病院に行き、おしりに注射を打ち処方箋をもらい、そのままモンパルナス駅からTGVに乗り、慌ただしくモンサンミシェルへ向かった。
処方箋をもらったものの、日曜日だったために薬局がどこもお休みで、結局薬は飲めなかった。。。このシステムなんとかして~
ゲロゲロになりながらTGVでレンヌまで行き、そこから路線バスに乗り換えて田舎道を進んでいくと、海沿いのな~んにもない平地に現れるモンサンミシェル。感動の瞬間です。
真冬だからかな、観光客は少なめでゆっくり見ることができたけど、病人の私にはあの山登りはつらすぎた。。。
スーツケースをパリのホテルに預けてきて正解。
身軽なはずのスポーツバックでも足かせのように邪魔だったもん。
息絶え絶えになりながら修道院目指して石畳を一歩一歩踏みしめながら思った。
中世の巡礼者は、歩いてここまでたどり着き、へとへとの体でこの山を登ったのかな~ 今の私は彼らを疑似体験しているみたい。。。
モンサンミシェルは予想以上に素晴らしかったから、本当は寝る間を惜しんででもじっくり堪能したかったけど、 私は体調がMAX悪くて胸のランプが赤色に点滅してたし、友人は私の看病疲れから、島内のホテルで夜8時には寝てしまった。
翌日、朝6時に目が覚めた私たちは、夜明けのモンサンミシェルを見るために、外に出ようとするも、ホテルの廊下扉が閉められていたので非常口から外に出た。
外は真っ暗、人っ子一人いない。
静けさの中で、私たちの靴と石畳の摩擦音がコツコツと島内に響いた。
モンサンミシェル貸し切り状態の中、写真をバチバチ撮る私たち。
小さな路地の入口に黒猫が2匹。深い黒色の毛はノルマンディーの暗闇の中でも映えていた。エメラルドグリーンに光る目が幻想的。
1箇所、どうしてもシャッターを押せない場所があった。何度押しても押せないの。
シャッターボタンが降りないの。。。島の入口付近。。。
シャッターボタンが降りないの。。。島の入口付近。。。
昼は押せたのになぁ~
遠目でモンサンミシェルを見ようと対岸へ続く道路を歩いていると、朝靄の中から男性の声がした「Bonjour ボンジュー」
でも朝靄がすごくて、見えるのはチラチラとしたサーチライトの光だけ。
目を凝らしていると、朝靄の中から若くてハンサムなポリスマンが2人も現れた。
一言二言フランス語で挨拶を交わすと、フランス語が話せると思われたのか、ニコニコしながら寄ってきた。なんて人懐っこいの~ フランス人はときに、こちらが恐怖感を抱くほど気さくだ。
それにしても、こんな朝早くからポリスマンが巡回しているとは、世界遺産だから?
それともなにか事件でもあったの?
この謎は、4時間後に解ける。
100m程離れたところから霧の中にぼんやりと浮かぶモンサンミシェルを眺めていると
教会の鐘がゴーン、ゴーン、ゴーンと鳴り、澄んだ空気によく響いた。
ここは海に囲まれた孤島、聞こえるのは鳥の声と穏やかに揺れる波の音だけ。
そのなかに響く鐘の音は、瞬時にして私を中世へとタイムスリップさせてくれた。
それにしても朝靄がひどい、空がグレーがかった藍色に変わり始めると、霧のため視界がどんどん悪くなってきた。
あちゃ~ ご来光を見たいんだけどなぁ~ これはどうしたものかと思っていると、モンサンミシェルにも霧が降り始め、修道院のてっぺんにある大天使ミカエルの像は見えなくなってしまった
霧は厚みを増し、みるみる島を覆っていき、、、
しまいにはモンサンミシェルを完全に包みこんでしまったではありませんか!
この朝靄の中に姿を消す修道院は、中世の巡礼者に神秘を煽ったのだろうなぁ~
見事に消えたモンサンミシェルの存在が幻に思えてきて、もう、あそこにはもどれないような気がした。
ノルマンディーの霧は深い。
百年戦争では、イギリス軍をその神秘のベールで何度も欺いたにちがいない。な~んてね♪
その②へつづく
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